「小さな恋のメロディ」あらすじと感想レビュー

1971年にイギリスで公開さました。
アラン・パーカー監督が初めて制作した映画でもあります。

ジャンルはファンタジー系青春映画となるでしょうか。

有名ミュージシャンたちの曲もいたる場面で流れており、一種のミュージカルのような作品でもあるのでしょう。

「小さな恋のメロディ」あらすじ

イントロミュージックは、朝焼けのロンドンの街の遠景から、ビージーズの「イン・ザ・モーニング」。

ゆったりとした歌いだしから始まります。
ママから、「さあ、起きてね」とでもささやかれているような心地よさです。

カメラはどんどん街のある部分にフォーカスされていきます。

少年楽隊の行進

10代前半から後半くらいまでの少年の楽隊が行進しています。先頭を歩くリーダーの長いつえを向かうべき方角に垂直に横にする姿勢がとても品格があります。

白人や黒人の人種も年齢層もさまざまな少年たちで混成されている楽隊は日本人の私から見るととても新鮮です。

ここで、主人公の一人ダニエル・ラティマーが出てきます。
金髪・青い目の純粋な白人少年、絵にかいたような美少年です。

主人公の家族とイギリスの家庭

さっそくママがお迎えに来てオープンカーの車からご機嫌で手を振っています。

なぜか、一緒にダニエルの親友トムも勝手にママのオープンカーに乗り込み自宅まで送らせてしまいますが、ママは不愉快なようです。

ロンドンではいかにも中流家庭というべきダニエルの自宅ではパパがガウン姿で新聞を持って起きてきました。

さっそく、ママは朝食の支度をしながら、パパと朝からダニエルの教育をめぐってケンカ、どこの国も年頃の子供を抱える夫婦の悩みは同じようです。

大きな牛乳瓶、あごで生卵をはさみながら調理するママ、シリアル、イギリスの家庭をちょっぴり垣間見ることができます。

パブリックスクールの様子

いわゆるイギリスの学校のシーンがさかんに登場してきます。

意外にうるさく行儀の悪い生徒たち、いいかえれば、エネルギーに溢れすぎた生徒たちにおどろかされます。

荘重な校舎のなかを押し合いへし合いしながら、ときには小突きあいながら動き回っており、思っていたよりもフリーダムな印象です。

異性へのめざめ

トムがある教室の窓から、女子生徒たちのダンスレッスンをしているのを見つけました。

ダニエルも一緒にのぞきこみます。
そのとき、彼のハートにキューピッドが矢を射たのでしょう。

栗色の長い髪をしたキレイな一人の女の子のダンスに目を見張ります。

ダニエルは周りの雑踏など気にならないほど夢中になって、彼女の一挙手一投足を追っています。

映像は一瞬スローになり、ふんわりと紗がかかって、夢の中のようです。

長い髪はゆっくりと波のようにさざめき、指の先は細く、白い肌、上を向いた彼女の目は長いまつ毛にいろどられ天使が舞い降りたようです。

それ以来、ダニエルはどこにいても、彼女の姿を探すようになってしまいました。
いわゆる、異性へのめざめですね。

ダニエルとメロディ

そんなダニエルの心の動きを感じ取った親友のトムは、朝の全校礼拝のときにいたずらをしかけます。

聖歌斉唱のときに、隣へ耳打ちをして、ダニエルが彼女に気があることを知らせていくよう命じます。

耳打ちは隣々へつながれていき、彼女のところまで、届きます。
この映画の一番美しいシーンなのですが、おごそかな聖歌が流れる中、彼女はふりかえります。

初めてダニエルを意識する場面です。

聖歌の「holly,holly~」という歌詞がこの二人をあたたかく包み込んでいるような場面です。

まるでキリストが彼らを祝福しているようなとてもおごそかなシーンです。

彼女の名前はメロディ・パーキンス、ダニエルと同学年の女の子です。
音楽室でも彼らはニアミスをします。

ダニエルは大きなチェロを持っています。ママの肝いりなのでしょう。
まだ小さな少年のダニエルには似つかわしくありません。

それを持って、演奏テストのため音楽室の前室に入るとメロディが友人の女の子とテスト時間を待ちながら談笑しています。

すぐにメロディの友人は呼ばれテスト室に入っていきます。

おもむろにメロディはリコーダーで「フレール・ジャック」を吹き始めます。

すかさず、ダニエルもチェロで重奏を始めます。

二人とも顔を見合わせながら、テンポを速めていくさまがとても可愛らしいです。

窓から入ってくる豊かな白い光が、とてもまぶしい。二人の心の距離がほんのすこし縮まってきたのを感じさせます。

ある日、ダニエルが罰で下校が遅れた日、メロディは彼を階段の下で一人待っていました。

初めてのデート

ダニエルは意を決したように友人のトムの誘いも強引に態度で断り、メロディとのデートにくりだします。

あの初めて意識しあった礼拝堂を通り抜けダニエルは紳士らしくメロディのカバンを持ってやります。

イギリスの有名バンド、ビージーズの「ファースト・オブ・メイ」がいきなり、流れてきます。

小さな恋人たちを、護るように慈しむように歌いだします。

行き先は墓地

初めてのデートで向かった先は墓地、おそらくブロンプトン墓地、広大な緑あふれる手つかずの自然の中にある墓地です。

あまたある十字架の建てられた墓碑やゴシック式のゲート、マリア像のモニュメントに心から癒される素敵な場所です。

この地を初デートの地として選んだ制作者のセンスの良さにも驚かされます。

さて、彼らは初夏のかがやくような季節の中、木々や草花がいっぱいの墓地に入っていくと、樹木たちは、恋人たちの訪れを喜ぶかのようにいっせいに、光を受けざわめきました。

二人だけの永遠の世界だと神が告げているようです。
天国のような絵に息をのみます。

遊び疲れた彼らは、一つの墓標のまえに腰をおろし、メロディの持ってきたリンゴをかじりあいます。

その姿はとてもさわやかなセクシーさがあり、象徴的でもありとてつもなく安らかさがあります。

お互いの心がぴったり合ったことを確信した彼らは、学校をさぼり、シーサイドに遊びにいきます。

ベンチに座り、ちょっぴり現実的な話をしたりして、二人の時間を楽しみます。

結婚式を挙げる

自分たちのことを親や教師たちに知られた彼らは最初はバッシングしてきた同級生たちの助けを借りながら、高架線の下で、クラスメートの立ち合いのもと結婚式をあげます。

メロディの頭のうえにはベールがわりに小さなレースのついた白いハンカチを載せて、簡素な式を挙げています。

最中に、教師たちが血相を変えて連れ戻しにやってきましたが、縦横無尽に逃げ回る生徒たち、手製のダイナマイトで車を破壊してしまうパワーに怯えて逃げてしまう大人たちをしり目にダニエルとメロディはトムがみつけた手押しのトロッコに乗り二人で、かわるがわる漕ぎあいながら、どこまでもどこまでも線路の続く限り進んでいきます。

まとめ

背景にはクロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤングの「ティーチ・ユア・チルドレン」の優しい歌詞がいつまでも流れ続け、エンドロール最終にMELODY×××というスペルがとても深く心地よい余韻を残してくれる、夢のような映画です。

現実を忘れたいときにとてもオススメ(^_^)

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