「フルメタル・ジャケット」面白いよ。

この作品は、原作小説を元に1987年にアメリカ合衆国で作られ大ヒットしたベトナム映画を題材にした映画なのですが、その内容があまりにも衝撃的すぎる為に、日本の地上波テレビ局では1回も放送されない(放送出来ない)といういわく付きの物なんですよね。

私は戦争モノの映画が大好きなんですけど、この映画本当に本当に前代未聞、唯一無二の作品です。

色んな戦争映画がありますけどね、なんとなくいくつかの同じパターンに分類できちゃう。

戦争恋愛モノ、戦争悲劇モノ、戦争英雄物語、戦争残酷物語とか・・・。

でもね、この映画、これらの王道の戦争映画ストーリーに中々当てはまんない。

強いていうなら戦争狂気モノですね。

それも見る人にとっては語る価値のないゲスな映画で、そんな戦争狂気モノの映画の中でも先ほど書いた様にこの映画、いわく付きの作品なんです。

そんな映画となると皆さん少しは見てみたくないですか?

唯一無二の作品なんですよ。

見たい?
見てみたい?

でもね~この映画、ほんとーに物凄く好き嫌いが分かれる作品かもしれませんね。

だけれども、この作品は数ある戦争映画の中でも、特に私の中に強烈な衝撃を与えちゃって未だに私の中でこれを超える作品が出てこない。

もう作られてから30年以上経過してるんですけどね~~。
でもねでもね!!もうね本当にサイコ~~の映画なんですよ。

と、書いている最中にも、この映画の事を考えて少し興奮してしまったようです。
ごめんなさい。

さて、前置きが長くなっちゃいましたので具体的なこの映画の内容についての感想に移りたいと思います。

あっ、この映画は2部構成の作品って感じでしてね、前半部と後半部ではガラッと変わるんですね。

で、まず初めに「フルメタル・ジャケット」前半部の感想です。

前半部の題名をつけるとすれば、「嗚呼、鬼教官物語」とでもなるのでしょうかね。

前半は、アメリカ合衆国のカルフォルニア州にある合衆国海兵隊基地での新兵訓練所が舞台になります。

そして映画開始からわずか5分後には、この映画を見た大勢のド肝を抜くシーンが連続してしまうのです。

ちなみにこの辺のシゴキのシーンは、30年以上経過した今でもインターネットで検索するとアチコチでネタにされています。

で、そのシーンとは壮絶な鬼教官の登場と、登場と同時に開始される壮絶な新兵への軍事教育です。

簡単に書けば「軍人を育てる為の教育」なのですが、その内容が凄まじい!!

パッと見たら「単なるイジメ、パワラハ」でお終いです。

こういう話が嫌いな人はスグに見るのを嫌になってしまうでしょう。

しかし頑張って見続けて欲しいと切に思います。
実はこの映画、ここからがとてつもなく深いから。

さて軍隊組織における兵隊とはなんでしょうかね?

兵隊は人を殺害することをプロフェッショナルとして求められます。

だから敵の人間への善意や罪悪感など、人間らしい感情は一切要りません。

なので軍隊の軍事教育におけるシゴキとは、人間性と言われる感情を取り除き、殺人マシーンを作り上げるための作業なわけですね。

しかも教官である私の敬愛する「ハートマン軍曹」は、このシゴキをプロフェッショナルとして新兵に行うのです。

だから彼は新兵に出会い、直ぐに宣言します。

「キサマらは厳しい俺の事を嫌う。だが憎めばそれだけ学ぶ。オレは厳しいが公平だ・・・」と。

この言葉には、会社で単なる好き嫌いの感情の悪意によって上司にイジメられるパワハラとかではなく、ただただプロの軍人の教官が、新兵をプロの殺人マシーンを作り上げる為に徹底的にシゴく職業軍人のすさまじさが見え隠れしています。

だからハートマン軍曹は、訓練の結果次第ではきちんとほめる時には褒めるんですよ。
そこがただのイジメやパワハラとは決定的に違う所なのです。

あーーうまく伝わるかな~。
その辺のことを、この映画では実になまなましく描いています。

私は良く戦争映画を見るので、俗にいう軍隊の生活での厳しさ、規律、しごきとかのシーンは良く目にしますし、学生時代に学校一厳しいと言われた部活で、1日の欠席もしないでシゴキと言われた部活生活を耐え抜いた事からこの手の話には慣れているのですが、そんな私もこの映画開始5分のこれらのシーンでド肝を抜かれっぱなしになってしまったのです・・・。

「こんなに凄まじいシゴキは今まで私は見たことが無い・・・アウアウ。」

では殺人マシーンに教育するには具体的には何をどうするのでしょうか?

新兵が普通に持っていた今まで人間として生きてきた道徳感の徹底的な破壊から始めるのです。

まずハートマン軍曹は「お前らはこれから人間ではなく虫けらだ!!」と言って新兵達から名前を奪う事を始めるのです。

え?「千と千尋」みたい?
wそうなんです。

そして人を馬鹿にしたような「あだ名」を1人1人付けて行きます。

例えば黒人の新兵に「(白い)雪だるま」とかね。
もうね、そりゃー嫌味たっぷりのあだ名を付けて行く。

このことによって、新兵達に「お前らは人じゃない。虫ケラなんだよ」という教育が開始されていくのです。

・・・と、この様に、この映画では世界最強の地上兵と言われるアメリカ合衆国海兵隊の新兵教育の様子が前半部分で描かれている訳ですが、私はこの作品を何度も見ているうちに「なるほど!こりゃアメリカ海兵隊が最強の兵隊と言われる軍隊に育つわけだ。」と感心を繰り返しておりました。

特に驚いた、というか初めて知った知識なのですが、海兵隊基地のトイレには壁が無いのです。

つまり日本のトイレで大便器が5個とか並んでいるけど、普通は全室壁で囲まれていますよね?

しかし海兵隊基地のトイレはこの壁が無いので、どの便器も顔も体も皆から見えてしまいます。

排便の音だって隣の便器どころか、2つ3つとなりの便器にまでもモロに聞こえるでしょうね。

このシーンを見る初めての人は、ビックリする人も少なくないと思います。

私も本当に驚きました。

だって日本の刑務所にさえ、申し訳ない程度ではありますが、少しは壁があるのですからね・・・。

でもこれが最強の兵を造るための訓練であるのです。
つまり人としての羞恥心を捨てさせる為です。

戦場で何時間も殺し合っている時に「トイレ行きたい。」と思ってもトイレになんか行けません!!!

トイレ自体ないし、トイレに行こうとすればスキが出来て直ぐに殺されてしまうでしょう。

ではどうするのか?
銃を撃ちながら小便、大便を漏らしても平気な様な人間になるしかないのです。

その為の壁無しトイレなのです。

と、この映画は今まで私が色々見てきた戦争映画では全く取り上げていない部分を実に豊富に描いてます。
しかも私が書いた感想は、この映画の前半の半分程度の事でしかありません。

まとめ

兎にも角にも私思うに、この映画は人にとっては見てとても不愉快になるかもしれませんが、そういう事実があった、というドキュメントとしても本当に絶対見て欲しい作品です。
戦争の狂気と良く言いますが、この映画見ずしてその言葉を言うことなかれ、と思います。

この文章を今は無きハートマン軍曹役のR・リー・アーメイ氏に捧げたく思います。

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