「明日に向かって撃て!」あらすじと感想

映画の題名である「明日に向かって撃て!」は邦題で、原題はButch Cassidy and the Sundance Kidです。

実在した銀行強盗のブッチ・キャシディとザ・サンダンス・キッドの物語を映画化したものとなっています。

有名なラストシーンがとても印象的な映画ですが、人間の心情を綴ったアメリカン・ニューシネマの代表作でもあります。

「明日に向かって撃て!」あらすじ

1890年頃のアメリカ西部です。

頭が良くて先を読むのが上手いブッチ・キャシディ(ポール・ニューマン)と、早撃ちの名手のサンダンス・キッド(ロバート・レッドフォード)は、強盗団を結成して列車強盗や銀行強盗を繰り返して生計を立てます。

そんな最強コンビも最近は時代の流れに押され気味で、自分たちの落ち目を感じていましたが、ある時、列車に積まれたユニオン社の金を狙うが、用心棒で雇われていた6人組にしつこく追われ、国境を越えて逃亡する羽目になります。

そして軍隊に囲まれて逃げ場を無くしてしまい、最後は数百人いる軍隊に向かって銃を撃ちながら飛び出して行くシーンでストップモーションとなり終わります。

「明日に向かって撃て」の面白さはどこ?

上が大まかな映画のストーリーですが、色々な観点からこの映画の面白さが分かりました。

時代に馴染めないと言うか、時代に適応できない男が描かれている

時代は産業が活発化して物が作られる時代に変わっていきますが、夢を諦められない二人は定職に就かず、追われる身でありながら金が隠されていると言われるボビリアに逃亡します。

この時代に馴染めない二人の心境は台詞以外の映像に描かれていました。

サンダンスの恋人エッタをブッチが自転車に乗せて庭を走り回るシーンで有名な「雨に濡れても」の主題歌が流れます。

やがて主題歌が終わり、二人は自転車を乗り捨てるのですが、倒れて車輪が回るだけの自転車が映し出されます。

このシーンが意味しているのは時代への逆らいです。

馬の時代から動力の時代へと変わり、乗り物は馬から自転車へと変わってきているのですが、自転車を投げ捨てることで時代へ逆らっている意味を演出していると感じました。

西部劇でありながら犯人が主人公で、追われて逃げている

従来の西部劇の主人公は悪に立ち向かって戦う正義感に満ち溢れていましたが、この映画は全く逆で、戦おうとせずにただ悪者が逃げ回るのです。

また、主人公である二人の人物像の描き方も面白く、弱みや苦手な面をさらけ出しているのが今までの西部劇にはない面白さと感じます。

印象的なラストシーン

数百人に囲まれた二人に逃げ場はもうありません。

飛び出したと同時にハチの巣状態にされる状況で交わす「なんでこんなところに来ちまったんだろうな、今度はオーストラリアに行こうぜ」の軽口な台詞が逆にカッコよく、最後まで生きることを信じて夢を追い続ける男を最も感じられるシーンでした。

最後は数百人の軍隊に向かって銃を放ちながら飛び出して行くシーンで終わり、画面は白黒のストップモーションとなります。

画面は動きませんが、軍隊が放つ無数の銃弾の音だけが響き渡ります。

このシーンを最後に見て、打たれて死んでしまったと思うか、それともきっと生き延びたと思うかは人それぞれと思いますが、結末が分からないまま終わるシーンからは想像を掻き立てられますし、悪者の主人公に感情移入されたことに間違いは無いと思います。

「明日に向かって撃て!」感想

この映画を見て感じるのは感動なのか、それとも、ただ面白かったのか表現に困ります。

二人の男の友情と、夢に向かって突き進む男らしさが描かれている

しかしながら、この二人の友情はドライに描かれており、ブッチとサンダンスはお互いの事をさほど熟知していない間柄です。

そのシーンは逃亡中に川に飛び込むシーンがありますが、「俺泳げないんだ」と言うサンダンスの咄嗟の告白に見ることが出来ます。

ただただいたわり合って、何でも理解し合っている間柄ではなく、少しドライで、本来はアウトローな二人を連想させるシーンでもありました。

ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォードという配役の絶妙さ

また、ブッチ・キャシディ演じるポール・ニューマンと、早撃ちの名手のサンダンス・キッドを演じるロバート・レッドフォードの配役がカッコよすぎます。

ポール・ニューマンはお茶目な悪党をうまく演じているし、目で表現できる稀な役者です。

またロバート・レッドフォードは心優しい悪党を上手く演じています。

二人ともこの映画に出演して以降、共に素晴らしい作品い出ていますが、自分にとってはブッチ・キャシディとサンダンス・キッドが定着してしまい、他の作品を見てもさほど感動が無いほどになってしまいました。

映画の題名も良く合っている

原題はButch Cassidy and the Sundance Kidですからブッチ・キャシディとサンダンス・キッドそのままです。

これはこれで意味を持たした題名になっていますが、「明日に向かって撃て!」の方が内容がズバリ表現されていて合っているのではないでしょうか。

ビートルズの歌にも良く邦題が付けられていましたが、邦題の付け方でイメージが変わるのも映画の面白い点だと思います。

忘れられないのが主題歌の「雨に濡れても」。

ハル・デヴィッドの詞にバート・バカラックが曲を付けた作品で、知らない人はいないほど有名な曲です。

「ベッドに収まらない男みたいに何もかもが上手くいかないように感じる~どんな憂うつが僕に押し寄せてこようとも、僕は負けたりなんてしない幸せが僕を迎えにくるまで、もう少しだから」

の様な意味の内容を歌った曲ですが、ブッチとサンダンスの心境を歌っている様でとても映画にマッチしていて感動しました。

未だに感動映画なのか、娯楽映画なのかの判断は出来ませんが、さすがアメリカは映画の国だと言う気持ちと、映画はこうあるべきだと言う感動だけが残っています。

少し古くなりますが、「いや~、映画って本っ当にいいもんですね」と言う水野春朗さんの台詞がピッタリくる作品だったと感じています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA